相談4「自分の日本語能力不足で、いつも同僚に迷惑を掛けてしまった」と悩んでいます。

私は台湾出身です。日本で暮らして4年が経ちますが、「自分の日本語能力不足で、いつも同僚に迷惑を掛けてしまった」と悩んでいます。

(35歳、男性、デザイナー)

藤井さん:

これは、なかなか難しいですね。迷惑をかけるのが仕事関係ということなら……通訳を雇いましょう! 間に通訳を入れることで、また一つの雇用がここに生まれますし。

編集部:

ただ、この方は、これまで勉強してきているので、自分でもっと話せるようになりたいという気持ちがあるのかもしれません。

藤井さん:

そうだとしても、通訳を介することで、「こういう時って、こういえばいいんだ!」ということが、わかるじゃないですか。つまり通訳でありながら、その人は相談者さんにとって、語学講師という存在にもなるんですよ。だから通訳を雇うことで、一石二鳥になるわけです。

編集部:

なるほど。では、悩んでいる相談者さんを励ますアドバイスも、何かいただけないでしょうか。

藤井さん:

勉強もされて、日本に4年暮らしているということで、ある程度話せるのであれば、必要な(最低限の)言葉というのは、この方はもう話せるわけじゃないですか。だから今からは、相談者さんにとって、本当の意味で大切な言葉とだけ出会っていけばいいんですよ。言葉というのは、覚えれば覚えるほど、心が豊かになるというわけではなくて、逆に下手したら、心が荒んでしまうこともある。だから、自分にとって大切な言葉だけ、覚えていったらいいんじゃないでしょうか。

 あとはやっぱり、言葉って熱じゃないですか。「この人が言っている言葉は信じられる」とか、「この言葉に打たれた」とか。そういうのって決して難しい言葉だからいいとか、そういう話じゃないですよね。

編集部:

確かにそうですね。

藤井さん:

相手が話す姿であったりとか、声のトーンであったりとか。そういうものを全てひっくるめて、伝わってくる。だからどれだけ難しい言葉を知っているかは、普通に暮らす分には関係ないというか。単に単語数を増やせば良いのではなくて、自分の思いを伝える時に「もっといい表現はないか?」と、周囲に聞いていって、自分にとって大切な言葉を増やしていけばいいと思いますよ。

 今回の相談は、1つ目の相談の「友達が欲しい」という話に近いところがありますね。言葉も友達と同じで、街に転がっているんです。本やインターネットから探すんじゃないんです。例えば本当に苦しんでいる人であったりとか、そういう人たちの言葉はやっぱりストリートなんですよ。だから友を探しにストリートに行くのと同じで、言葉を探しにストリートに出てみてください。生きた言葉は常に路上に転がっているんですよ。


総括 藤井さんからのアドバイス

1:職場で通訳を雇おう!

2:語彙が増えれば増えるほど、心が豊かになるわけではない

3:街に出よ。言葉は路上に転がっている


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